発達が気になる子どもたちの日常と臨床応用

日々の生活にある学びと明日から実践できる療育支援のヒント

「PECS®」と「気持ちを伝えるカードアプリ」

絵カード交換式コミュニケーションシステム(Picture Exchange Communication System® ; PECS®)を用いて、機能的コミュニケーションを習得していくことは、ASD等の神経発達症群だけでなく、幅広い年齢層、診断、環境において有効性が報告されています。

 

pecs-japan.com

 

ウチのTWINS兄弟も1歳6ヶ月健診のフォローアップ後から少しずつPECS®を始めた記憶があります。まぁなかなか大変な時期でしたww

 

 

今はi-PECSとして、iPad内でデジタル絵カードを操作できるように変化しています。

pecs.com

 

ウチは紙ベースの絵カードでPECS®を実施している時代?だったので、嫁さんとせっせと必要なイラストや物品等を写真に撮って、パワポに張り付けて作成して、印刷して、ラミネートフィルに入れてラミネーターにかけて…のような永遠の作業をやっていた思い出です。

 

嫁さんに「あんたはラミの切り方が雑!、角が丸くない!」とかディスられてよくケンカしてましたww

 

そんな苦い思い出話をしたいわけではないのです笑。

 

今となって思うのは、なかなか気合い?がいる作業ですし、有効性があるのは分かっていても、「視覚的にとか…特別な方法じゃなくて…言葉で表現してほしい…」と思ってしまうのは当たり前のことだと思います。

 

けど、ちょっとした工夫で子どもと分かり合えたり、「意思疎通や意図の理解/共有が図れる」ツールであることは間違いありません。

 

今はスマホ時代ともなり、たくさんのICT(Information and Communication Technology)ツールがあります。

 

手軽に子どもとコミュニケーションを図れるアプリを使ってみるのはいかがでしょうか??

 

app.litalico.com

 


www.youtube.com

 

ちょっと困ったな、伝わりにくいなって時にも便利なアプリです。

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ADOC-S(みんなでつくる教育支援計画書)

特別支援教育における「個別の教育支援計画書」障害福祉サービスにおける「個別支援計画書」等を用いて、子どもの生活や学習等をサポートしていくことは、周知の事実です。

 

しかしながら、「子ども」中心であるはずが、保護者/家族主体になってしまったり、専門職/教育関係者等との双方向的な連携が出来ていないことも多いのではないでしょうか…。

 

 

個別支援会議やサービス担当者会議等のいくつかの情報共有の場はあるかと思いますが、なかなか会議の運営は難しいです。

 

まぁ以下のようなtoolを用いることもひとつかなぁと思います。

ADOC-S(みんなでつくる教育支援計画書)

s.adocproject.com

 

現状把握/理解という観点からも整理するには良いかもしれません。

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学校での困りごとを「どのように」解決していこうか…。

ウチの長女は、発達の凸凹はありつつも、いわゆる「境界領域」でたくさんのESSENCEを持っているタイプです。

 

developmental-pt.hatenablog.com

 

学校は、交流級(通常級)で過ごしていますし、クラス全体の中の一人として、教育や支援を受けています。

 

そんな中で学校の授業を受けるのが嫌になって、学校の行き渋りも強くなり、どのように対応するかを学校と話し合いました。

*勿論、家庭内で出来る努力/支援もたくさんありますから、その上で…です。

 

 

その要因は、たくさんあって一つひとつを解決するには難しいですし、「なに/どこ」から支援を始めようか…と悩みます。

 

  • 友達関係
  • 担任の先生との関係性
  • 授業の進行に理解度が追いつかない
  • 学校でヘルプを上手く出せない(疲労、嫌な気持ち、どうしたいのか等)

 

担任の先生も学級運営や周りの児童との兼ね合い、クラス内のルールなど色々な縛り?や先生なりの価値観?もあり、なかなか効果的に立ち回れていない状況でした…。

 

まぁこーいうときは、外堀を埋めていくしかないですね笑。

支援に繋げていく具体的な連携パターン??みたいな感じでしょうか。

 

  1. スクールソーシャルワーカー(SSW)に相談する。

    第3章 第1節 5.スクールソーシャルワーカーの活用:文部科学省

  2. 養護教諭等の学校内に配置される特別支援教育コーディネーターに相談する。特別支援教育コーディネーターの役割
  3.  受給者証を持っているならば、障害福祉サービスにおける保育所等訪問支援事業を利用する。保育所等訪問支援の手引き
  4. 県や市町村にある教育研究所/教育センター等の外部機関に相談する。

    教育研究所 - Wikipedia

  5. 専門家チームによる巡回相談を利用する。巡回相談の目的と役割
  6. 医療機関等を受診して、主治医の指示や療育支援方針等を仰ぐ。

*注)ウチに該当する対応策なので私見です。他にも色々あると思います。

 

まぁ厚労省文科省もシステムや体制作りは大好きです(批判ではありません、それが仕事です)。

とても必要な事柄ですので、有意義に活用する必要があると感じています。

 

しかしながら、相談や情報共有、会議等は実施されても、その実行力/実践力/推進力とか柔軟性/俊敏性っていうのは、最終的に「担任の先生」に負担が偏ってしまうのが難しいとこなんでしょうか…。

 

何より学校/担任の先生と保護者との関係性が一番大事ですので、感情論になってはいけない。ウチの嫁さんは、すぐに感情論で話したがります笑。

 

焦らず、「一緒に問題を共有する/解決する」くらいのイメージですかね…。

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我が家のスポーツ事情と考え方(機能的な練習編)

まだ書いてます…このシリーズ。

 

特に需要はないと思います笑。私の趣味レベルです。

 

前回はこちら↓↓

developmental-pt.hatenablog.com

 

やっと野球の練習や試合の話になるのかと思いきや…「機能的な練習編」とまだまだスモールステップで進んでいます。

 

 

普通に練習して上手くいけば、そら何にも問題はありませんが「特性」要素を持っていると、せっかくの「興味・関心」が高くなっているのに…

 

なかなか上手くできない

↓↓

監督/コーチ/友達にも叱責される

↓↓

自信を無くす

↓↓

楽しくない/おもしろくない

 

…という「負の循環」の完成です。

 

「野球」というスポーツに関して言えば、とりあえず「キャッチボール」が全ての練習の基礎となります。

 

で…「投げ方」に関しては、とりあえずスルーしました笑。

時間が掛かりそうな雰囲気だったので笑。

 

「捕球」に関しては、課題が明確にありましたので、評価/アセスメントして機能的な練習に繋げていきました。

 

捕球において、「視知覚機能」は必須です。

具体的には…

  • 眼球運動(対象物を目で追う等)
  • 視空間認知(距離感や捕球位置を処理する等)
  • 目と手の協応(捕球に対して適切な位置に手を出す等)

 

「何が」必要かは理解できたので、「どのように」対応するか…。

色々と調べていたら見つけましたww

 

creativeboxing.co.jp

 


www.youtube.com

 

 

ウチの嫁さんには、

「あんたは子どもにボクシングでもさせるの??」

とあしらわれました笑。

 

意外と楽しく遊べる道具でして、ウチの子どもたちも何度も顔面にボールをくらいながら遊んでました。

 

「ボールを正面で捉える力」「中心視で捉える力」は向上したと思います(親バカ)。

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「空気が読めない」ことによる「トラブルの引き際」とは??

ウチのTWINS兄弟は、

いわゆる発達の凸凹な「ASDタイプ」学習<生活・ソーシャルスキルに課題を抱えていることが多いです。

 

例えば、学校における異年齢の縦割り授業/作業等で「言うことを聞かないタイプ」「やたらやんちゃなタイプ」低学年児童との交流が苦手なようです。

 

まぁ上記は、低学年児童のあるあるだと思いますので、致し方無いとこもあるかと思います。

 

ウチのTWINS兄弟だけでなく、他の高学年児童も指摘したり、もめごとになることは多いようですが、最終的に一線を越えてしまう/収拾がつかなくなってしまう…のはウチです笑。

 

 

間違いなく「正論」を言っているのは、「高学年」です。

では、「何が」違うのか…担任の先生にも聞いてみました。

 

「そうですね~…引き際?

引き際とは…

お互いに熱くなって、そろそろ収拾つかなくなるだろう…手が出てしまいそう…言葉が荒くなってきそう…っていうタイミングですね。

 

他の高学年のお友達は、「やべっ、あいつキレそう、泣きそう」とか「あ~、もう無理、らちがあかん、先生に言おう」等の引き際を理解したり、「めんどくさいから関わらずに自分のことやろう」みたいな反応が多いようです。

 

まぁウチは最後まで「ワーワー」とお互いに言い合って、先生に止められる人です笑。

 

「正論」なことを言っていますから、どのようなフィードバックが良いのか悩むところです。「高学年だから…」とか「ほっときなさい」のような強引な年齢的な要素や感情を無視した回答は今一つだと思います。

 

具体的にどのように対応しているかは…

また次にでも書こうと思います。

ポイントは

  • コミック会話(王道)
  • ソーシャルストーリー(王道)
  • ことわざ・故事成語・慣用句(私見

…などです。

気になる方は、以下の本も参考になりますよ↓↓

 

 

では、また。

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筆圧のコントロールに「下敷き」を工夫してみよう

小学生の宿題は、

漢字ノートや計算ドリルなど…色々と帰宅後にやることも多いです。

 

ウチの末っ子くんは、そもそも宿題が「きらい」です笑。

なぜヒトは「学ぶ」のか…という哲学的な問いに疑問を抱いています…。

「これは学校でやった!」と言い張りますww。

確かに…問いの数字や問題が変わっただけで単元は同じです…。

 

 

まぁそんな話は置いといて…

イライラしながら作業するわけですから、字体粗雑になったり、筆圧の不安定さ姿勢の崩れが顕著になります。

 

一番の対策は、

こまめな休憩と共に自分でスケジュール管理や報酬を決めて、マイペースに取り組むのが良いかと思います。

 

補助的な手段として、いくつか「下敷き」を準備しています。

普通の下敷きも使いますけど、自宅での宿題用気分転換用としてさりげなく置いています。こちら↓↓

 

 

ソフト面/ハード面を上手く活用しながら、用途に応じて筆圧コントロールをサポートしてくれます。

 

すごい効果が!!…とは言いませんが、

「これ気持ちいい~、なんかちが~う」的な気持ちの切り替えの要素を持っていますので、「何となく上手く書けた気がする」感を出すことができます笑。

 

まぁそーいう小さいことの積み重ねが大事だと思います。

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「個性」と「特性」は紙一重であり、連続体である。

先日は、定期的な地域の療育センターでの再診でした。

 

ひとつの話題として挙げられたのは、TWINS弟さんの「注意・実行機能」のアンバランスさの問題について…

まぁ過去の記事にも書いてます↓↓

 

developmental-pt.hatenablog.com

 

小学校の高学年になると、複数のtaskを処理する必要がありますし、質・量ともにある一定の能力が求められてしまいます。

 

「自立」して行うには視覚支援や物理的な環境の構造化は必須ですし、作業や学習の定着には時間を要しているのが現状です。

 

良く言えば、合理的な配慮があれば、「自立」「学習」ができることも多いのです。

あえて悪く?言えば、「ちょっとした変化にパニックになったり、ストレスを抱えやすい」と言えます。

 

年齢が上がると共に行動範囲も増えてくるし、社会的役割、関わる人も増えてきますので、一つひとつの行動や起きた事象について評価/アセスメント、支援方針/内容…と進めることやリアルタイムに解決していくことの難しさを感じることもあります。

 

 

「子離れ」のタイミング?と思ったりもしますけど…。

 

まぁ何の話をしたいか…と言いますと

そのリアルタイムに解決していくことの難しさにより、子どもが何らかの不利益や損していると感じてしまう(例えば、𠮟責や上手くできないことによる自己肯定感の低下等の二次的な問題が生じる)ならば、「お薬」によるコントロールもひとつの選択肢としてどうか?という議論を主治医としたからです。

 

本人がある事象について「問題」と認識していなかったり、「困難さ」を感じなければ、それは「個性」のひとつかもしれないですし、周囲の合理的な配慮も含めた適切な支援や環境調整があれば、これもまた「個性」の一部になり得ます。

でも、ある種の「特性」は持っているし、顕在化していないだけかもしれません。

 

私は、「お薬」についても一定の知識や理解もあると思っているのですが、いざ自分の子どもに…となると、その判断には迷いが生じます。

 

まぁゆっくり考えていこうかなと思います。

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我が家のスポーツ事情と考え方(ベンチにおける実践編)

はい、お馴染みの?テーマが来ました。

 

まだこのネタを思い出したかのように書いています。意外と思い入れのあるテーマです笑。

 

前回はこちら↓↓

developmental-pt.hatenablog.com

 

実践編に入っているようで、入っていないテーマです笑。

ここの課題をクリアするのは、難しいんです(ウチもまだ完全クリアとは言えません…)。

ASD傾向があると、いわゆる体育会系の気持ちや感情論/根性論はわかりにくいのです。

 

 

ウチのTWINS弟さんは、大変苦労しています…。

 

練習/試合あるあるだと思うのですが、

監督やコーチから「もっと応援しなさい/声を出しなさい/集中しなさい」なんて言葉がよく聞かれると思います。

 

しかしながら、どれも非常に抽象的な言葉/指示だと思いませんか??

「応援」の定義って何??

「声を出す」って「声は出しています…ナイスピッチとか」

「集中しなさい」って「集中しているつもりです」

 

…とかね笑。

私は考えました。どうすれば彼に伝わるのだろうか…と。

 

  1. 応援/声出しは決まったことを言おう!
  2. 集中していると思われる態度を知ろう!

 

「応援/声出しは決まったことを言おう!」に関しては、子どもと話をして「事実」を言うと、それは応援でもあり、声出しにもなるよ…と。

 

ピッチャーがストライクを投げれば、「ナイスピッチ!」と言う。

内野ゴロでワンアウトをとれば、「ワンアウト~」と言う。

そして、そのタイミングごとに他の選手にも聞こえるように伝えることが「応援である」と。

 

まさに「事実」をそのまま言うことです。加えて、その頻度/声の大きさが大事であると。

 

しかしながら、ウチのぶっとんだ斜め上の回答は…

「なんでみんなが言ってるのに、おれがもう一回言うの?」「そんなん見たらわかるし」と。

 

「はい、その通りです!」、これはぐうの音もでない回答でした笑。

そこは大人として、

「褒められて嫌な人はいないし、声掛け/応援をしてくれると、頑張れる…」とか苦しい回答でしたが、「それが応援であり、ルールであり、ベンチの人の仕事!」で押し切りました笑。

 

「集中していると思われる態度を知ろう!」に関しては、もう少しわかりやすい内容でした。

 

だいたい外野でぼーっと突っ立っていたり、ランナーコーチでぼーっと試合をみていることが多かったので、これはすぐにわかりました。

 

シンプルに「構えて前を見る」という指示で理解が出来ました。一応、ぼーっと立っている時の写真と指摘されて「構えて前を見ている」写真を見比べて、本人にも違いを理解してもらうことで、よりわかりやすかったようです。

 

こーいう世界観で生きているわけですから、一つひとつ子どもにとってわかりやすい声掛けや指示、行動とはなにか?を理解していくことが重要だと思います。

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漢字指導における繰り返し且つ機械的な反復作業に発狂する子どもたち…

どうして漢字指導は、ノートに繰り返し且つ機械的に?反復して書くのでしょうか…。

 

ウチの長女や末っ子くんは発狂しています笑。

 

読み書きが得意ではないタイプの子には、まさに苦行ww

 

 

イライラする→字体が崩れる→細部の「とめ・はね・はらい」などが粗雑になる→類似文字は特にケアレスミスになる→さらにイライラする→強引に消しゴムで消そうとしてノートが破れる→発狂→ふて寝…笑。

 

まぁそれはそれとして…。

 

子どもたちの認知処理特性を考慮しながら、学習していくのも良いかと思います。

 

最近はこちらのサイトをよく利用させていただいています。

 

smileplanet.net

 

同時処理継次処理特性を上手く活かした教材だと思います。

参考までに。

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お金の「大事さ」は自分で使ってみないとわからない。

お金の管理は、なんだか時報遅延報酬の関係性と似ている気がします。

 

ADHD傾向があると、すぐに得られる即時報酬を好み、後に得られるより良い遅延報酬であっても「遅延報酬割引」の度合いが強く、その価値を小さく見積もることがわかっています(報酬予測が小さい)

 

このような問題を「報酬遅延の障害」と表現します。

 

 

お金の管理/お小遣いについては、基本的に「お手伝い」に対して渡すことを心掛けています。

学校の準備や明日に着ていく服の準備など自己の身辺動作に対して、対価は出しません笑。

 

だって、「自分のこと」ですから。

あくまで、+αの「お手伝い」であることが重要です。

 

しかしながら、お金の管理は子供にとって「遅延報酬」であることが多いです。小学生ですし、いきなり「100円~200円」とかの単価にもできませんから、「10~30円」くらいで内容等によりルールを決めて対応しています(安すぎ??)。

 

で、「即時報酬」と「遅延報酬」をどのように選択するのか確認するために、「お小遣い」とスマホアプリのゲーム「10分」で「どっちがいい??」と聞いています。

 

まさに「悪魔のささやきww」

 

ほぼほぼ即時報酬を選択するのですが、遅延報酬の魅力を教えてあげるために色々と対策を練っています。

休みの日に子どもを連れて散歩/ジョギングをするときに、あえてコンビニやらスーパーに寄ってみて「自分で欲しいおやつあったら買っていいよ」と聞いてみる。

 

良くも悪くも炭酸ジュースを選んでみたり、ようわからん「ねるねるねるね」的なお菓子を買ったりしてます笑。

 


www.youtube.com

 

「高っ!」とか「ガムが2個買える~」とか喜んでみたりと、反応は子どもにより様々です。

「今度は〇〇のアイスを買お~う」と遅延報酬のためにちょっと我慢してみたり…。

 

以前にどうしても「メダルゲームがしたい!」と言うので、「自分のお金でお好きにどうぞ」と伝えたところ…たった数分でメダルがなくなる経験をして、それ以後は全くそんな話はしてきません笑。

 

何事も経験するのは大事ですね笑。

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「やる気」がないのではなく、「報酬予測」が小さく、「報酬遅延」に耐えられないのです。

あるあるな行動なのかな??

 

ADHD傾向のあるTWINS弟さんのお話です。

 

ADHD「Triple pathway model」で考えると…

抑制機能(実行機能)の障害(Inhibitory)、報酬予測/遅延の障害(Delay aversion)、時間処理の障害(Temporal processing)といったADHDの3つの特性を表します。

 

 

で…皆さんよく経験されると思うのですが、

「宿題終わったらTV/ゲームをしようね、おやつ食べようね」なんて声掛けしたり、スケジュールを立てて本人に伝えますよね?

 

しかしながら、

抑制機能(実行機能)により…

  • 宿題をしようとするが、他のプリントや教科書等の他の刺激/情報に反応してしまい、遊び続けてしまう。
  • で…「あーだ、こーだ」している内に自分のプリントや鉛筆を無くす笑。

時間処理機能により…

  • 予定していた課題や宿題が終わらず、時間を超過したりと…計画的に進めることが難しくなる。
  • そもそも自分の思う予測時間と実行時間との乖離が大きく、時間感覚もわかりにくいため、予定通りに進まない。

で、たぶんウチの最大の難関である報酬予測/遅延により…

  • 本当は、数十分で終わるはずだった課題/宿題が小1時間くらいかかってしまう。
  • まさに目先の欲求(即時報酬)である「とりあえず、目の前にあった学校の広報誌/借りてきた図書室の本」などを選択してしまう…。遅延報酬割引の度合いが強いってやつです。
  • 報酬予測/価値を小さく見積もる傾向に加えて、過去の経験からなのか「宿題に時間がかかってゲームの時間が少なくなる/今はおもしろい・見たいTVをやっていない/好きなおやつじゃない、あまりおやつの気分じゃない」とか色々と考えてしまうみたいです笑。
  • そうなると、「報酬の強化」低下し、「報酬をもらう」という効果が薄れたり、持続しなくなってしまい、さらに「先延ばし」という代替行動に発展していく…。

 

どうしましょうかね~。色々と試行錯誤している感じです。

抑制機能(実行機能)については…

とりあえず、学校から帰ってきたらすぐに宿題をするなんて、無理な話ですので、先ずは目先の即時報酬で心を充足してもらう笑(時間は決めてもらいます)。

後は、「いつ・なにを・どれくらい」するのか計画してもらったり、ルーティン化していくしかないとこですね。

 

時間処理機能については…

「報酬」との関連性も強いですが、時間/スケジュールを視覚化して伝えるしかないですね。タイマーとかもそうですけど、「60分」という時間をどのように有効活用するかで自分の前後の行動/報酬は大きく変わり得る…みたいなことは、グラフみたいに割合を示して「20分で終わったら、後40分も遊べるやん」と考えてもらう。

 

報酬予測/遅延については…

抑制機能(実行機能)とも関連しますが、「いつ・なにを・どれくらい」するのか計画して、「困難な課題/努力を要すこと」分割/分散してもらう…。

分割/分散により「即時報酬」という価値観に少し近づきます。

あと、報酬はある程度「自分」で決めること。

加えて、今の時報(目の前にあった学校の広報誌/借りてきた図書室の本)よりも魅力的な報酬(遅延報酬)があることを具体的に見せる。

言葉で言われる/伝えるよりも視覚的且つ具体的に見せた方が良いってことです。

 

TVであれば、ウチは野球好きなので番組欄を見せて

プロ野球中継は18時からあるよ」とかね笑。

おやつもご褒美(報酬)用にいくつかストックしているので、「終わったら何を食べる?」と聞いておくとか。

ゲームはわかりやすく、「終わったら何時まではできる」とか「終わった人から先に始める」とか、言語のみでもわかりやすい反応します笑。

 

とは言え、「困難な課題/努力を要すこと」にチャレンジしないといけないことに間違いありませんので、そう簡単には上手くいかないものです。

 

遅延報酬を魅力的にするよりも、小さな報酬でも本人が決めたもので、行動やスケジュールがルーティン化されて、好ましい行動を増やす/維持するために有効な手続きが繰り返される強化学習に繋げるのが一番大事な気もしますね。

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「授業参観」とは、行動観察/分析や療育支援の実習機関のひとつです。

先日、久しぶりの「授業参観」でした。

 

授業参観は、私の行動観察/分析や療育支援の実習機関のひとつです笑。

 

 

自分の子どもの学習活動を観察するのは、勿論ですが…

先生がどのような授業展開をしていくのか?、どのような意図で授業に用いる教材を選んでいるのか…とか観察するのがとてもおもしろいのです笑。

 

「ほうほう、あーいう方法がユニバーサルデザイン授業ってやつね」とか。

 

「学校」という教育機関の視点/理解を深めるためには、同じ畑に入ってみないとわからないことも多いです。

 

最近は、以下のような関連書籍を読むようにしています。

www.udjapan.org

 

授業のユニバーサルデザイン(以下授業UDとする)とは「特別な支援が必要な子を含めて、通常学級の全員の子が、楽しく学び合い『わかる・できる』ことを目指す授業デザイン」です。

出典:http://www.udjapan.org/index.html

 

このような授業や価値観が社会全体に広がっていくことを心より願っています。

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「境界領域」という「生きづらさ」や「生活の困難さ」

ウチの娘の療育センターの初診について書いてみようかな。

 

過去の他己紹介です。

developmental-pt.hatenablog.com

 

初診なので様々な成育歴や家族歴、その他診断補助となるようなアンケート質問紙に答えます。

 

  • ADHD rating scale-Ⅳ
  • Autism Spectrum Screening Questionnaire(ASSQ) 
  • SDQ(Strength and Difficulties Questionnaire:子どもの強さと困難さアンケート)…等々
  • 読み書きの困難さも気になっていたので、学校のノートとかも持っていく感じでした。

まぁ診断補助になるような質問紙では、自分でもCutoffポイント等を計算したり、色々な論文から改めて臨床徴候を見てみましたが、しっくりくる感じがありませんでした。

 

なんやかんやと話をしつつ…

主治医との家族/本人の問診も終わり、一通りアセスメントをして頂きました。

 

主治医からは、上記と同様でASD及びADHD等の確定診断に至るような臨床判断基準を満たさない。」という結果です。

しかしながら、いわゆる「特性」という要素を複数に重なり合いながら示している臨床徴候はあるようです。

 

 

まさに「ESSENCE」ですね。

developmental-pt.hatenablog.com

 

特にADHDを主体とする「不注意」や「感情のコントロール/情緒の不安定さ」の要素とASDにおける「こだわり/ルール」の要素が悪いタイミングで重なると一気に爆発して学校への行き渋りや問題行動の顕在化に繋がっているのかな…と。

 

どれもが境界領域であるが故に、「個性や性格、やる気がない/怠けている」のような判断をされてしまうと、よりしんどくなるし、適切な支援を受けさせてもらえないタイプだね~と。

 

「まさにその通りでございます。」

 

要するにこのブログのタイトルのような「発達が気になるタイプ」です。中・長期にかけて問題が顕在化したり、二次障害を引き起こす可能性も高いわけですから、診断の有無に関わらず、家族や学校等と連携しながら「できる範囲の手立てやサポート」は必要だと考えます。

 

もうちょっと家族内での対応も考えないといけませんなぁ~。

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マイルールやルーティンも大事ですが、管理するのもなかなか大変ですね。

ウチの娘さんが学校への行き渋りモードを爆走中…

 

この1-2週間は、新学年にもなってまぁまぁ気を張って頑張っていたんでしょう。

 

先日から色々なことが重なり、ついに「行き渋りモード」に入りました。

 

 

びっくりするくらい些細なことをつらつらと書いてみましょう笑。

 

  1. いつものように「6:50」という決められたマイルールの登校時間に向けて準備を進める。
  2. 「6:47~48」に最後の準備で学校用のマスクを手に取ろうとする。しかし、他の兄弟たちも同時に複数枚を取ろうとして、残り少なくなっているマスクがなくなろうとする。
  3. 自分の分のマスクがなくなると思い込んで、少しイライラする。
  4. それに気づいたウチの嫁さんが、「まだ新しいのあるよ」と新しい箱からマスクを出そうとする。
  5. しかし、なぜかいつもより少し早くお友達が来て、玄関のインターホンを鳴らす。普段は自分が先に出て友達を誘いに行くのがルーティンなのに…。
  6. それに少し混乱し、やや興奮してさらにイライラする。
  7. 「あーだ、こーだ」と言ってる間に、「6:52~53」になる。
  8. はい、「もう学校いかん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

の完成です笑。

 

まぁ前日から「宿題いや、算数わからん!!」などぶつぶつ言うてましたので、そろそろかなぁとは思っていました笑。

 

心穏やかに過ごせますように笑。

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個別の教育支援計画における「目標」と「方針」は違います!!

先日、担当の先生からTWINS兄弟の特別支援学級における「個別の教育支援計画」を確認させていただきました。

 

とても小さな学校ですので、なんやかんやで小学1年生から現在の6年生まで在籍させていただいています。

 

私の住む市町村では、通級指導教室がなく、通常学級(交流級)か特別支援学級自閉症・情緒/知的)しかありません。

 

で…在籍する上で、以下のような書類が作成されます。

小学校・中学校・高等学校の学習指導要領では、特別支援学級や通級による指導において、「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」を作成することが義務付けられています。

出典:特別支援教育のトビラ 

 

個別の教育支援計画とは?

個別の教育支援計画とは、障害のある児童生徒一人ひとりのニーズを正確に把握し、教育の視点から適切に対応していくという考えの下、乳幼児期から学校卒業後まで一貫して的確な教育的支援を行うために作成される計画です。

出典:特別支援教育のトビラ

 

まぁ概要はこんな感じです。

 

 

個人的な考えとして、教育支援計画を作成する上での

「目標」「方針」は違います。

 

例えば、

「身のまわりを片付け、探し物や落とし物を減らす。」

 

これは「方針」です。

めざす方向。物事や計画を実行する上の、およその方向。

出典:方針とは - コトバンク

 

「目標」とは?

 行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準。

出典:目標とは - コトバンク

 

「片づける/減らす」というワードから内容は理解できますが…。

 

私の個人的な意見として、「方針」「目標」に言い換えるならば…

 

「声掛けがなくても自分の持ち物を指定された場所/空間に位置/配置させることが自立してできる。」とか??

もしくは、「忘れ物や片付けに対する声掛け指示等が全体指示のみで完遂することができる」またはもっと具体的に且つ場面設定をするなら、「1週間の忘れ物/落とし物が5個以内になる又は帰りの会の準備/片付け場面で身体的/言語的なプロンプト等が5回以内で出来る」とか…。

 

こんなの書いてくれる先生がいたら「ネ申」です笑。

 

「書き直してください!!」とか、言ってませんよ笑。書いてくれるだけで満足です笑。

自分の心の想いを記しているだけです。

 

先生にもわかりやすい/理解してもらいやすいのは、学期末ごとの目標設定や行動の要因、具体的な方法論を一緒に考えてやりとりする方が関係性が上手くいく印象です。

任せっきりもダメですし、自分の言いたい放題、要求ばかりするのもダメです。

やっぱり「一緒に何とかしましょう/考えましょう」というスタンスが大事です。

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