学齢期ASD児の国語はどんなとこが難しい?
ASD児は種々の要因により「文章読解」に困難さを抱えることが報告されています。
ウチのTWINS兄弟も同様です。
developmental-pt.hatenablog.com
どんなとこが難しいと感じるのか…気になるので調べてみました。
自閉症スペクトラム障害者の学齢期における文章理解困難の実態 : 後方視的な質問紙調査による検討
綿貫 愛子・大伴 潔 東京学芸大学紀要 総合教育科学系Ⅱ 66: 489 - 506,2015.
学齢期における文章理解経験を問う質問紙(85項目)
- 読字に関する項目(11項目)
- 書字に関する項目(13項目)
- 文章全般に関する項目(15項目)
- 読書行動に関する項目(5 項目)
- 知識に関する項目(2 項目)
- 文章の聞き取りに関する項目(10項目)
- 物語文の理解に関する項目(13項目)
- 比喩の理解に関する項目(4 項目)
- テストに関する項目(6 項目)
- 算数の文章題に関する項目(6 項目)
- その他の文章理解困難について(自由記述形式)
出典:自閉症スペクトラム障害者の学齢期における文章理解困難の実態 : 後方視的な質問紙調査による検討.綿貫 愛子・大伴 潔 東京学芸大学紀要 総合教育科学系Ⅱ 66: 489 - 506,2015.
結果は、ざっくりと…
なんとTD大学生(学齢期)と群間比較すると、77/85項目に有意差が認められました。
知的障害を伴わないASD者であっても、かなり学齢期に読み書きや文章読解等に困難さを抱えていたことがわかりました。
具体的な支援としては、
- 読み書き等の認知的特性を理解すること
- 文法知識の習得をサポートすること
- 名詞と代名詞の関係性等の照応関係を指導する。*照応関係:二つのものごとが互いに関係していること・文章や談話の中で、代名詞などの指示詞を用いて具体的な何かを指すこと
- 接続詞の持つ意味を強調させること
- 物語文における相関図や登場人物の関係性を視覚的に提示し、理解をサポートすること
- 比喩表現や慣用句が示す意味について習得させること…等々
が挙げられていました。
なるほどね。
まぁ少しずつ考えていきましょう。