発達が気になる子どもたちの日常と臨床応用

日々の生活にある学びと明日から実践できる療育支援のヒント

衣服を探すのがめんどくさい?わかりにくい?のか…ウチのあるある行動

今日は、何となくありそうなお話について…

ASD等の神経発達症群の子どもたちには、「衣服へのこだわり」とかよく言いますよね。

勿論、素材・色・着心地・サイズ・締め付け感など色々と「感覚過敏」「こだわり」による要素は観察されます。

 

その話でご飯3杯くらい行けそうなんですが、今日はあえて「衣服を探す」ということに注目してみます。

 

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この行動において特徴的なのは、TWINS弟さん

彼は「不注意傾向」が強いこともあるのですが、感覚刺激/情報に対する「低登録」さによる影響もありそうです。

 

低登録とは、感覚刺激/情報に対する反応や定位が起こりにくい(気づきにくい)状態とされています。

このようなタイプには、次のような対応が例として挙げられています。

  • 感覚刺激への反応の弱さが見られている感覚の閾値を満たし、子どもが環境におけるきっかけに気づいて反応できる機会が多くなるよう、経験に感覚情報をより多く取り入れるようにする。
  • 場面におけるきっかけを強調するようにする。これにより子どもの閾値を満たし神経反応が起きる機会を増やす。
  • 刺激のコントラストを高める。
  • 重要な情報を与える前に注意を喚起する。
  • 重要な情報がわかりやすくなるように環境刺激とのコントラストをはっきりさせる。

感覚プロファイルの臨床応用への期待
岩永 竜一郎, 萩原 拓, 伊藤 大幸, 平島 太郎, 辻井 正次
児童青年精神医学とその近接領域
2016年 57 巻 1 号 66-70

 

なるほどね~って感じです。

なので、衣服の収納ケース/BOXに入ってしまうと、衣服の全体像が分かりにくくなってしまうためか、自分の着たい服が探せなくなってしまいます。

そんなアパレルショップ風にたたんだり、陳列するスペースも時間もありませんから…。

 

しかし、それなら…と彼は考えました。

部屋に干されている段階、ハンギングされているのなら、「デザインや丈の長さが一目でわかる」ではありませんか。

 

で、それをひたすら探して着るという無限ループの完成です笑。

これは果たして「衣服へのこだわり」なのか子どもなりの「対処行動/適応行動/コーピングスキル」なのか…。

 

うちは家族が多いので、洗濯機も1日2回くらい回す派なので、何かしら部屋干しされてしまう運命なのです。

 

ほぼ同じ服をヘビロテしてますけど、洗濯したきれいな衣服なら良いかと思うのも大事だし、何より自分で探して/決めて/自立して生活動作ができているのならOKとすべきですね。

*正確には「自立」しておらず、「〇〇ない/△△ない…」と言われていますので、もうちょっと視覚支援なり環境の物理的構造化を図らないといけないのですが、そこまで手が回っていないです…。