学習塾で学習性無力感??TWINS弟くん、やる気を失っています。
先ず、小難しい話を書きます笑。
Seligmanは、自己の行動と随伴していない統制不能な嫌悪刺激を受けることによって、後の連合学習が障害されるという事実を見出し、これをLearned Helplessness(学習性無力感)と呼んだ。
この効果は、受けた嫌悪刺激の量に規定されるものではなく、統制不能な状況を経験することにより、自己の行動と強化は独立しているという非随伴性の認知が成立したためにおこると考えられている。
出典:人間の学習性無力感 (Learned Helplessness) に関する研究, 鎌原 雅彦, 亀谷 秀樹, 樋口 一辰. 教育心理学研究, 1983年 31 巻 1 号 80-95
特に「統制不可能性」と「非随伴性」は大事な用語です。
この話は後で説明するとして、先日、学習塾の三者面談がありました。
保護者としては、学力が向上することも一つの期待ですが、「できる/できない」だけでなく、「学習への取り組みや姿勢」を身につけることも大事な要素です。
話によると「授業中に話を聞こうとしなかったり、他の作業をしたり…と先生の指示に応じなかったり、授業への参加意識が低い」と色々ご指摘がありました。
そんな理由を言語化することが難しいですので、三者面談で対応しました。
彼の単純な内なる思いは、
- おもしろくない
- 勉強わからん
- 遊びたい
- 遊ぶ時間が少なくなる
- 何で塾に行かないといけないのか(自分の意思で入りましたけど笑)…等々
今までの彼の言葉を聞いているとだいたいこんな感じ。
先ほど書いた「学習性無力感」と「統制不可能性」と「非随伴性」という言葉はどのように繋がっているのか考えてみました。
自己の行動と随伴していない統制不能な嫌悪刺激を受ける
(勉強やろうとしているが理解できず、とりあえず指摘を受ける?)
ことによって、後の連合学習が障害されるという事実を見出し、
(やろうとしても内容が理解できない/習熟されないことがわかる)
これをLearned Helplessness(学習性無力感)と呼んだ。
(どうせ勉強してもわからない、やる意味がない)
この効果は、受けた嫌悪刺激の量に規定されるものではなく、
(「〇〇しなさい」のような指摘?)
統制不能な状況を経験することにより、
(学習塾/授業にはとりあえず、参加しないといけない?)
自己の行動と強化は独立しているという非随伴性の認知が成立したためにおこると考えられている。
(「どうせできない/理解できない」と行動の結果が決まっている/予測できてしまい、自信を喪失している状態である)
まぁ「できない/わからない」ことをやろうとしても「おもしろくない」し「理解しようとも思えない」ですね…。
わからなくはない話です。
学習塾の先生からすれば、「話さえ聞いてくれて、やろうとしてくれれば…」みたいなお話だったので…
わたし:「とりあえず、70-80%わかる問題から再学習して応用問題は1-2つくらいにしないと注意・集中も意欲も続かないと思います。」
学習性無力感の状態では、何をやってもただのストレスですので、本人も受け入れるのならば別の問題集やドリルをマイペースに解く時間にあててくださいと伝えました。
「できた」の成功体験を増やして、小さな目標をクリアしていくしかなさそうです…。
まぁ難しいですよね、受験勉強って。
私も勉強は得意ではないです、解剖学や運動学、心理学、認知心理学、神経科学とかは大好きです笑。